ある蔵見学の風景 --地酒のできるまで・発酵--

さて、酵母も出来上がりいよいよ発酵という段階に入ります。写真をごらん下さい。大きなタンクが並んでいます。このタンクのの中に白米が約3000k入ります。先ず最初に出来上がった酵母、酒母を入れます。次に麹と水です。櫂で均等に混ぜしばらくして蒸米を入れます。一日置いて様子を見ますが、それを「踊り」といって酵母の繁殖を判断します。
三日目に麹と蒸米と水をいれます。翌日四日目に更に麹と蒸米と水を入れ仕込みが完了します。4日間で3回にわけて麹と蒸米と水を入れる方法を三段仕込みといって江戸時代より続いた方法です。それから20日あまりで酒ができるわけですがその間いろんな表情をします。
一つは泡です。最初は岩のように起伏に富んだ泡がたちます。文字とおり岩泡と呼びます。しばらく続いた後、高くなった泡が落ち着きを見せ下がり始めます。「落ち泡」です。更に泡が落ちて「玉泡」といってピンポン玉のような透明感のある泡となります。この泡が部分的にでるかタンク一面にでるか一つの判断基準です。酵母が最も元気に発酵するときがこの時期です。香りが立ち始め、蔵全体に何ともいえないいい香りがしますでしょう。
でもこれからです。健全に、安全に発酵を導いていく為に冷やしてやったり暖めてやったり一日ごとに手をかけなければなりません。そして発酵の終わりが最も大切です。酵母はやがて死滅しますがその直前の判断が最も大切です。麹の抜け殻がタンクに浮き、ガスの発生が途切れたとき、そのとき酒が誕生した瞬間です。上槽が始まります。酒を搾る工程です。早速行ってみましょう。

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